『
私のあしながおじさん』を観た
流れで、続編の『
続あしながおじさん』も角川文庫版で読んでみました。
ジュディ・アボットのルームメイトだった
サリー・マクブライドが、かつてジュディの生活していた
ジョン・グリア孤児院の新院長として孤児院の改革に乗り出すお話でした。
大人的にはこの続編も、前作と同様に充分に面白い作品だと思います。
物語としての『
あしながおじさん』は主人公である所のジュディ1人が幸せになってお終いですが、ジュディ以外の孤児たちの問題が置き去りにされている点に不満を感じた人も決して少なくはないのではないでしょうか?
この『続あしながおじさん』はその辺りの問題にも応えようとしている作品で、その意味では野心作でもあったのだと思います。作者の方の心意気を感じます。
本来なら主人公であるジュディこそがその任に当たるべきか?とは感じますが、ジュディは設定上ペンデルトン夫人となって夫の仕事に付き添って世界中に出掛けることになったので、ルームメイトだったサリーを主人公にしたのかも。
ただお薦め度としては、この『続あしながおじさん』は病気や遺伝に関する点で表現上いまの時代的には問題になりそうな感じの箇所もあるので、その点だけは“取り扱い注意”かと思います。
(本屋では見かけなかったので地元の図書館で借りました。その図書館でも閉架扱いでした。)
この『あしながおじさん』シリーズは、孤児の問題への1つの提言として,或いは問題提起として、本来ならもっと永く続くのが望ましかったのではないか?と個人的には考えます。
しかし文庫版の解説とかを読む限りでは、原作者の
ジーン・ウェブスターは出産後にお亡くなりになっているそうです…。
挿絵については、プロの画家の方々が後の時代に追加して行くにしても、原作者ウェブスターの描いた挿絵や図案は外してはいけないような気がします。
アニメの世界名作劇場版ではサブタイトル画に一部をデザインとして取り入れておりましたが、原作を尊重するその方向性は正しいと思います。
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