前回、
整備新幹線に関連して
ローカル線の廃止についても触れました。

ローカル線の廃止については、個人的には日頃から思う所があるので、今回はこの機会に少しだけUPしたいと思います。
同様な意見を持つ方々は沢山いるかとは思いますが、自分的にもこの機会に一応まとめておきたいと思います。
ローカル線の廃止後に線路跡地の道路に代替の路線バスを新たに走らせるくらいなら、そのレールを残してレールバスを走らせる方が合理的かと考えます。
「アスファルトにタイヤ」よりも「レールに鉄車輪」の方が、
摩擦係数が小さい分だけ
エネルギー効率が良いからです。
…勾配には弱いけどね。
ローカル線の線路跡地に代替の路線バスを走らせた所で、ローカル線の廃止によって過疎化に拍車がかかってしまうので、
やがてはその代替の路線バスそのものが廃止され、集落自体も消える恐れもあるのではないでしょうか?
ある地域の
過疎化を止めたいのであれば、その地域のローカル線は存続させるべきだと考えます。そこに血税を注入するのも「少額ならアリ」かと思います。
ところで、今あちこちの自治体では
コミュニティバスを走らせているようですね。

住民の利便性を考えて、ある程度は採算に目をつむっているケースも地域によってはあるやに聞きます。
赤字で経営の苦しい
第三セクター等のローカル線には、このコミュニティバスの方式を用いてはどうでしょうか。
営利目的ばかりでなく、地域住民への
行政サービス(或いは
福祉事業)の一環としても運営するのです。
当然赤字になる恐れもありますが、ある程度なら税金で補填しても良いのではないでしょうか?
…と都会モノのおいらには取り合えずは他人事ですが、そう思ってしまいます。
発想としては、コミュニティバスをローカル線の線路上で『コミュニティレールバス』として運営する、という考え方です。
極端なケースとしては『
村営コミュニティレールバス』という事業形態も、あり得なくはないか?とも考えます。
話によると、かつて北海道などでは
村営のレールバスが農水省からの財政的な支援を受けながら運営されていた
軽便鉄道の実例が数十年前には1つならずあったようですし、決してあり得ない方式ではない筈だと思います。
しかしながら、血税も決して無尽蔵な訳ではないので、各地のローカル線の側でも
今世紀の新技術を応用した省エネ・省コスト・省メンテ等の合理化を図るべきかと考えます。
以下、個人的に思いつく範囲での具体策としては、
電車を
気動車(できれば
ハイブリッド気動車)に替えて
架線レス化,
車輛の
ワンマン化,一両編成化,小型化,軽量化,
車輛,駅舎,社屋等の
照明のLED化,
太陽光パネル,小型風力,蓄電池等による駅舎等での
自社発電,蓄電,節電,余剰電力の売電,
運賃決済を車内で完結させる
“路面電車”化・レールバス化,
・・・等々があるかと思います。
地域ごとの実情によっては、これら全ての項目をクリアするのは決して簡単ではないとは思いますが、ざっと考えてもこれくらいの合理化は目指して欲しいかも…(あくまでも一少額納税者の立場としてでですが… ^_^;)。
他にも、“路面電車”化による駅の無人停留所化と駅券売機の撤去による省コスト,省メンテを図ることも物理的には可能かとは思います。実際にそこまですべきかどうかは、それぞれの地域の実情に合わせれば良いかと思います。
それらの合理化のために必要な技術革新は、個々の鉄道事業者単体では負担が大きすぎる面もあるので、そこは
国が予算を負担してそれらの技術革新を主導すべきかと考えます。
例えば全長10メートル前後の小型ハイブリッド気動車タイプのレールバス車両を新たに開発するには、一ローカル鉄道事業者のみで行うよりも、ある程度は国が主導する方が合理的かと考えます。(国が買って地元に長期リースする、という方法もあり得るかと思います。)
また、『石油の輸入は国富の流出』という観点から気動車の燃料をバイオマス燃料で地産地消的に賄おうとする場合
、各地の鉄道事業者によるバラバラな対応よりも、やはり国
が全国的な規模
で音頭を取る
方が、より合理的かと考えます。
コミュニティバスは住民への行政サービス向上の目的もあるので、特に
役所,役場等へのアクセス向上に使うのがより合理的かと考えます。コミュニティレールバスについても同様かと思います。
したがって役所,役場を駅や線路から遠く離れた高速道路や幹線道路沿いにするのではなくて、鉄道 (この場合はコミュニティレールバス化されたローカル線) 沿線やその駅近くに役所・役場を設けるべきかと考えます。
街づくりの構想を根底から練り直さなくてはならないケースも、地域によってはあり得るのではないか?とも予想します。
コミュニティレールバス化された赤字ローカル鉄道を支援するための財源としては、その他の交通予算から捻出すれば、国庫への負担も少なくて済むかと考えます。
個人的に思いつく範囲としては、
新幹線沿線での地方空港の新規建設の取り止め,
新幹線沿線にある慢性的な赤字地方空港への支援の取り止め,
黒字見込みの怪しい高速道路・有料道路・高速鉄道の新規建設の取り止め,
・・・等々があると思います。
地元の赤字地方空港を失う地域に対しては、その見返りとして鉄道網・道路網の整備による地上交通での国内ハブ空港
へのアクセスの向上を図るべきかと考えます。
今後の『
人口減少によるマイカーの減少』や『
高齢化による交通弱者の増加』を考えると、仮に同じ赤字事業だとしても、
赤字高速道路や赤字有料道路,赤字地方空港,いかにも赤字になりそうな高速鉄道…等々、
などよりも、
地元の足であるローカル鉄道に財政支援の比重をシフトさせる方が、これからの時代に関しては、より合理的かとごく個人的には考えます。
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