映画『
オリエント急行殺人事件』(1974年
,S49年)を観た。
名探偵
エルキュール・ポワロが
オリエント急行の列車内で起きた
密室殺人を解明する
アガサ・クリスティ原作のミステリー小説を映画化した作品でした。
この機会にごく個人的な5段階評価&感想等を。(ややネタバレありかも。
注意 
であります。)
面白さ 5.0
お薦め度 4.5〜5.0
古いけど手堅くお薦め。
往年の超豪華オールスター俳優陣なので、洋画ファンには鉄板でお薦めかと。
殺人事件のミステリーなのでどちらかと言うと大人向き。
被害者が何度も刺されるシーンは子供にはちょっとキツいかも。その点は要注意かと。



個人的にはいま鉄道映画にハマっているので、この『オリエント急行殺人事件』もその流れでチェックして見ました。
「出発シーンが『銀河鉄道999』TV版のOPみた〜い」と思うのは、逆 !?
しかし観終わった直後の感想としては、この映画はオリエント急行の豪華さを映像的に堪能する映画というよりは、
超豪華俳優陣とクリスティのミステリーを堪能する映画だと思います。
おいらの拙い感想としては、“
世法” と“
国法”の違いを感じました。
オリエント急行は
国際列車なので、国境線を越える度に適用される“国法”も変わって行くようであります。
(厳密な所はおいらにはよく判りませんが、少なくともこの映画を観る限りではそのようであります。)
事件は
ユーゴスラビア国内を通過中に発生したので、その土地の警察によって捜査されることになりそうな展開です
。(島国の日本人的には今一つピンと来ない所ですが、個人的には新鮮な発見でした。)
しかし“世法”の方は“国法”と違い欧米の白人にはまぁまぁだいたい共通しているのでしょうか。
当時の欧州のたいていの国では、“国法”においては仇討ちは殺人と見なされるようですが、しかし“世法”においては復讐は事情によっては同情や共感を集めるケースもあり得るかと思います。
殺人事件の翌朝、列車は雪に閉ざされて孤立してしまいます。警察や救援隊の到着は一体いつになるのでしょう?

たまたま乗り合わせていた私立探偵のポワロは、その間に事件をほぼ間違いなく解明し犯人を概ね特定できたのですが・・・、

では事件を解明したとして、果たしてそれをどうすれは良いのでしょうか?
ポワロが乗客を一人ずつ聞き取りを終える度に鉄道会社の重役が「あいつが犯人だ」「あいつが犯人だ」と言い出すので、「アンタに言わせりゃ犯人は一体何人いるんダヨ!?」と途中までツッコミながら観てました。(^^ゞ
(日本語吹き替え版

ではその重役さんは
富田耕生さんの声でした。味のあるお声なので個人的にはそれだけでも充分に笑いのツボでした。)
この物語は極悪人にとっては恐ろしい内容だと思います。
「国法からは逃れ得たとしても、それは必ずしも世法から逃れ得た訳ではない」と言うメッセージが含まれているからです。
「善人ではあっても、相手が悪人なら自らの手を血で染める決意をすることも有るかも知しれない」と言うメッセージにもなっているように感じます。
古い作品ではありますが、娯楽作品としては今でも何気に手堅くお薦め。てゆーか超お薦めかも。
可能であれば原作の併読もお薦めかと。映画版は映画用に少しだけ脚されているのが判るかと思います。

被害者が何度も刺される映像が無い分だけ、映画版よりはマイルドな表現になっているようにも感じます。
何気に地理や世界史の知識や情報も入るので、中高生にも割りとお薦めなのかも?、とも感じました。
また、原作では米国の陪審員制度や当時の禁酒法にも少しだけ触れられております。
陪審員制度については『十二人の怒れる男』、禁酒法については『アンタッチャブル』、等々の映画がそれぞれお薦めかと。
乗客にグリューネワルトさんとヒルデガルトさんがいた。(ローエングラム朝新銀河帝国の大公妃&皇妃と名前が同じたよ。)
ヲタ的には『銀英伝』が感じられて、ちょっと嬉しかった。(^^)
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