『
星を継ぐもの』を読んだ
流れ
で、その続編の『
ガニメデの優しい巨人』も読んで見た。

“『星を継ぐもの』の第2巻”って感じの内容で、
ヴィクター・ハントや
クリスチャン・ダンチェッカーなどの主要キャラも引き続き登場します。
せっかくなので、この機会にごく個人的な感想等を備忘録的にUPして残しておきたいと思います。
前作の『星を継ぐもの』よりも、個人的にはこの2作目の『ガニメデの優しい巨人』の方が面白かった。
人間賛歌な内容であり、前向きで希望に満ち溢れるアゲアゲな内容で、個人的には大いに好みであります。
しかしながら人様には、順を追って『星を継ぐもの』から読み始めることをお薦めしたいと思います。
いきなり2作目の『ガニメデの優しい巨人』から読み始めると、その面白さが充分には堪能できないのではないか?とも思えるからです。
この一連の物語シリーズは『ガニメデの優しい巨人』で新たな更なる展開を迎えるのですが、その前提が押さえられないからです。
SFのジャンル的には、近未来における人類と異星人との初接触を描いた“
ファースト・コンタクト”モノであります。
この作品に登場する人類にとっての初接触の異星人は、『遭難者』であります。
『侵略者』でも『親善大使』でも『征服対象』でも『難民』でもなく、『遭難者』である所にこの作品の特徴があると思います。
突如ガニメデ宙域に現れたたった一隻の異星人の巨大な宇宙船
<シャピアロン>号は、人類の科学技術を遥かに超越した水準を持ち合わせてはおりますが、その船は疲弊し乗組員たちは絶望に打ちひしがれております。
いわゆる
浦島効果により、20数年ぶりに独力で故郷に戻って見れば、そこでは2500万年の時が過ぎており、帰るべき星も既に無く、“悪魔の惑星”地球の蛮族・人類が太陽系の主になりつつあります。
地球人から“
ガニメアン”と呼ばれる彼ら
巨人たちは、極めて善良な性質の宇宙人であります。
人類は彼ら太古の異星人たちを精一杯歓待します。両種族は友好のうちに、まさに夢物語のような、理想的な交流がなされる様子が描かれております。
近い将来か遠い未来かにおいて人類がいずれは接触するのであろう外宇宙の知的生命体が、実際にはどんな性質のものであるのか?は現時点では全くの予断を許しませんが、この作品はそのシミュレーションの1つとして、その役割を充分に果たせているのではないか?とも思えます。


また、現在の種としての人間の性質には人道的にも合理的にも様々な欠点が多々ありますが、それでもこの作品では種としての人間の優れた良き特徴についても公平に評価されており、総じて人間賛歌の内容にもなっております。
個人的にはこの辺りの描写などは、大いに“ツボ”でした。
以下、ネタバレあり。注意っ!!であります。
しかし彼ら“ガニメアン”たちは、自分たちの仲間がかつての地球上の生物たちに対して為したのであろうある過ちに、やがて気が付いてしまいます。

自分たちの仲間がかつて犯したのであろう罪の意識も手伝ってか、地球人たちにはそうとは悟らせないうちに、自ら辞して半年余りで彼らは太陽系を去る決意を固めます。
彼らの仲間たちが移住したと思しき恒星系を目指して船出をしますが、それは半ば死を覚悟した“死出の旅”でもありました。
地球人たちは彼ら“ガニメアン”たちの真意は分らないながらも、彼らの意志を尊重し、惜しみながらも快く送り出します。
“底抜け”に“楽天的”な地球人たちは、まだいるのかいないのかもよく判らない彼ら“ガニメアン”の仲間の異星人たちに向けて<シャピアロン>号が向かった旨の電文を、その恒星に向けて送信します。
その電波がその恒星系に届くには、まだ何年もかかるというのに。
しかしそんな地球人たちの何気ない一見無意味にも思えるその行為が、次の新たな更なる思いがけない展開を呼び込みます。
その新たな希望を知らないままに<シャピアロン>号は悲壮感を伴って旅を続けますが、彼らの旅は恐らくは報われるのであろう予感を読者に期待させながら物語は終わります。
その希望に満ちた未来については「また次回」、とゆー感じ? “引き”の効いた終わり方でもありました。
そんな訳で、続巻の『
巨人たちの星』も近いうちに読んで見るつもり。
個人的には、この『ガニメデの優しい巨人』の文庫本の表紙には見覚えがありました。
過去に何人もの友人・知人(人脈の異なる複数の友人・知人)が読んでいたのを見たような記憶があります。薦められたような記憶も微かにあるような気もします。
でもその時はこの文庫本を見ても「読みたい」という気持ちは湧きませんでした。この本は中身は面白いのに、タイトルと表紙で損をしているような気が…。
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