『
ガラスのうさぎ』読んだ。昭和20年3月10日の
東京大空襲での筆者の方の体験談的な作品でした。
映画やTVドラマになったこともあるそうですが、個人的には今まであまり知りませんでした。
『はだしのゲン』や『ひめゆりの塔』を読んでいながら『ガラスのうさぎ』を知らないのは、東京モンとしてはモグリな気もしたのでこの機会に読んで見た。
戦前から戦後にかけての東京の様子が筆者の方の目を通して詳しく描かれております。
あの辺りの東京の下町は個人的にもまぁまぁ地元でもありますので割と親近感が持てました。
しかし東京の下町だけに舞台が限られている訳ではなく、兵庫県の西宮や神奈川県の二宮町、世田谷の千歳烏山、仙台、福島県の中村や勿来、等々様々な地域に渡ります。主には東京のお話ではありますが、その意味では割と全国区な内容でもあるかと思います。
この本を読む前は「大空襲の場面などは読むのが辛い作品なのではないか?」という先入観もありましたが、そんなことはありませんでした。
3月10日未明の空襲当時は筆者の方はひとり神奈川の二宮町に疎開していて難を逃れました。しかしその時に母親と二人の妹を亡くします。
筆者の方は大空襲の現場にいた訳ではないようなので、直接的な惨状の表現はありませんでした。その点は子供には刺激が少なくて済むので無難な内容かと思います。
『黒い雨』や『長崎の鐘』のような凄惨な描写も特にはありませんでした。また、『はだしのゲン』やジブリアニメの『火垂るの墓』などに比べれば無難で穏当な内容かと思います。
ただ、この本ではB29爆撃機による都市爆撃よりもP51ムスタング戦闘機による機銃掃射の方が恐ろしいです。
そのような描写が無くても、戦時中や終戦直後の厳しい生活の様子などが充分に伝わって来る本でもありました。
子供向きの本ではありますが、大人にも充分にお薦め。ご当地在住の方には特にお薦めかと思います。
当ブログ内の関連記事
140131 ひめゆりの塔 読んだ
130902 はだしのゲン 観た
110424 黒い雨 読んだ
141114 長崎の鐘 読んだ
140503 マヤの一生 読んだ
110416 ガラスの地球を救え 再読
131012 空爆アニメ個人的チョイス
160313 東京防災 読んだ
161129 ガラスのうさぎ アニメ版 観た

0