Polydor Japan MG 2402 (2530 290) LP
巨匠らしいシンフォニックな演奏である。その姿勢は交響曲の時と何等変わりは無い!第1楽章である。活気が在り、リズムも弾んでおりキビキビ進み軽快である。収録は、1970年からだが意外に後年の重さが無い!巨匠の全盛期は、1971年迄と言われているが、これを聴いていると何だか納得する。続く第2楽章もよく磨かれておりセレナーデを聴いているんだと言う気持ちになる。実に優雅である。トマス・ブランディスのヴァイオリンも良い!第3楽章はメヌエットである。些か感傷的な曲想だが、音楽は毅然に進む。ヴァイオリンの独奏も変に甘さが無いのも良い!第4楽章は、クライスラーが独奏用に編曲したので知られた曲想だが、節度の在る表現で好感が持てる。素直に音楽が語り掛けて来る感じだ!ここで曲が終わっても良い様な充実感が在るが第5楽章に続く、ここは巨匠の造型感覚が解かり興味深い!つまり構成面を聴くべき演奏である。流石に揺るぎ無い立派な音楽で感心する。第6楽章である。素朴な曲だが優雅さは失わない!弦楽器のセクションが素晴らしい!楽団はベルリンフィルである。第7楽章も同様である。終楽章は、序奏が柔らかく時に堂々としており風格さえ感じさせる。そして美しい!主部は、アレグロ・アッサイだが節度の在るしっかりした演奏である。こんな演奏は古楽器主流の現在に在っては聴けないものだ!

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