Polydor London POCL-2247/8 2CD
これは、モーツァルトの生誕250周年を記念して録音されたものだが、ウィーンでは、国立歌劇場が再建された年でも在った!巨匠は、翌年に同地の音楽監督を退陣する訳だが、当時のアンサンブルが音として残ったのは幸運である。ステレオ初期だが音質は良好である。序曲は、とてもどっしりとした安定感が在るが、巨匠も若く、勢いも在る。台詞は無いが、舞台が無いので別に気に成らない!タミーノは、レオポルド・シモーノだが、とても美声である。カナダ系の人なので発音にケチを付ける批評家が居るが、日本人が発音についてどうのと言うのは邪道である。3人の侍女が充実しており素晴らしい!それは、ユディット・ヘルヴィッヒ、クリスタ・ルートヴィッヒ、ヒルデ・レッセル=マイダンの面々だ!この盤は、歌手が万全では無いとも言われる。だが、それは、バラツキが在ると言う事だろう!しかしウィーン情緒は捨てがたい!この点が現在と違い、はっきり濃い音楽が聞こえる。確かに凹凸は在るが、巨匠は構成面では万全であるので安心して聴く事が出来る。ヴァルター・ベリーのパパゲーノも軽やかである。ヴィルマ・リップの夜の女王は定番であるので流石に見事だ!巨匠は、後にDGGで、この歌劇の決定盤を録音したので、この盤の印象が薄いのは仕方なかろう!これは気楽に聴くCDだ!

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