『文化審議会(阿刀田高会長)は、現存最古の全面ガラス張り温室「東山植物園温室前館」(名古屋市)や、野村証券を創業した故野村徳七氏の別邸「野村碧雲荘」(京都市)など8件を重要文化財に指定するよう伊吹文明文部科学相に答申した』という記事が昨日の朝刊に掲載された。これで建造物の重文は2306件(うち国宝は213件)となるそうだ。
「東山植物園温室前館」は、昭和11年(1936)に完成した。左右対称の外観で、当時としては最新の溶接技術で鉄骨を組み、ガラスを張った。現存する大規模な温室としては日本最古であり、日本で最初期の本格的な鉄骨造温室建築である。全溶接建築物としても日本最初期で、建築技術史上の価値も評価の対象とされたという。
同館は、幅約66mで5室からなり、一番大きな中央ヤシ室は、幅18.2m、奥行き12.6m、高さ12.4mの大きさである。開館当時は、「東洋の水晶宮」と称賛されたそうだ。L字形の細い鉄材を電気溶接で組み合わせることで優美な姿を実現したという。全面ガラス張りの建物の重文指定は全国初である。
寺島さんもお孫さんを連れて久しぶりに、植物園に行かれたということだが、私も植物園は、何十年ぶりであった。しかし、昔入った温室の印象は変わっていなかった。重要文化財となって、ますますその価値を増した温室に足繁く通わなくてはと再認識しました。

重文に指定するよう答申された「東山植物園温室前館」

東山スカイタワーをバックにした東山植物園温室

東山植物園温室5室全景。

温室内の弁慶柱。(これは寺島さんの写真と同じ場所であった!)

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